コンサル業界転職に向けた対策【元BIG4コンサルの実体験から解説】

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こんにちは、わい氏です。

以前転職の始め方についていくつか記事にしましたが、今回は私自身の経験をベースにコンサル業界に特化してお伝えしたいと思います。

  • コンサル業界を目指したいと漠然と考えているが、そもそもどういう仕事?激務?
  • 就職のハードルが高いと聞くが、一体何がそんなに難しいの

コンサル業界に対しては上記のようなイメージを持たれている方が多いのではと思います。

今他業界に在籍していてこれからコンサル業界を目指したい方にとっては、業界研究及び就職に向けた対策の一環にもなると思いますので、最後までご覧いただければと思います。

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コンサル業界の概要

経営コンサルの仕事とは?

ビジネスモデル

端的には”クライアントの経営課題を解決し、売上・利益向上に向けた対応策の提言・実行支援を行うこと”です。その支援に対する報酬を受けることでビジネスとして成り立っております。

モノやサービスを提供し売上を上げる事業会社というよりは、弁護士、医師等と同様の専門職という分類となります。ただ、国家資格等はございません。

特徴

この仕事の特に難しい側面は、正解がない(まだ見えていない)ものに対して、仮説を立てて、情報を集め、仮説の検証をしながらより確からしい示唆を論理的に導かなければいけないところです。

そもそも案件を獲得する上で、この形のない商品をクライアントへ販売営業すること自体仕事の難易度として非常に高いです。それだけ魅力・やりがいのある仕事であるとも言えると思います。

経営コンサルタントの働き方・行動様式

より確からしい解を導くために、際限なくあらゆる視点で試行錯誤することになるため、当然ながら定型事務作業のように決まった時間に業務が終了するということにはなりません

言い換えれば、本人の実力と時間の使い方次第で働き方が大きく変わります

また、事業会社と比べると昇格のスピードが非常に早いです。会社にもよりますが、学部新卒であれば30歳になる頃には管理職(マネジャー職)に昇格しているイメージです。

それだけ毎年大幅な成長を求められ、その波に乗れない人はクビになる以前に自主的に退職しているケースが多いのが現状です。

経営コンサルの仕事の価値とは?

信頼とブランド

基本的に経営コンサルの仕事は信頼とブランド力によって成り立っているといっていいでしょう。

この2つの言葉もほぼ同義ではあるのですが、なぜかというと、コンサルタントが出した成果物は必ずしも正解ではないからです。

というよりも、正解のない問いに対して、特定の条件下における最善の解決策を導出し、クライアントに信じていただくように努めなければならなりません。

報酬に見合った価値提供

報酬は1案件につき、数百万、数千万、内容や支援期間によっては億を超えるようなものもあります。それだけのパフォーマンスが求められます。
その報酬を払ってでも売上・利益向上により元が取れるとクライアントに信じていただけるようにパフォーマンスする必要があるのです。

そのため、クライアントからみれば、これまでの実績や会社の評判等、つまりは信頼とブランドがそのコンサル会社を選定する一つのポイントになります。

コンサル会社の類型について

以下のようにいくつか類型がありますが、基本的にどの類型も経営課題を解決するという観点では大きく仕事内容は変わりません。担当するクライアントや案件が異なる程度です。

会社によって専門外ということで提案を辞退する等対応を取るところもありますが。

戦略系コンサル

有名どころでは、外資系ではマッキンゼー、ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニー、A.T.カーニー等、日系ではドリームインキュベータ、経営競争基盤等がこの類型にあたります。

主に、事業を進める上での上流部分である戦略の策定に重きを置いてサービス提供を行っています。

担当するクライアントは世界的大手企業が中心となるため、扱う案件も新聞やニュースに載るほど大きな案件が多いです。

会社のネームバリューも非常に高いため、ある程度働き実績を残すことができれば、退職後も色々な分野からオファーがかかるでしょう。

年収は役職によって決まっており、各役職で昇格までの年数も定義されていたりします。

その年数内に昇格できないと会社から退職勧告を受けるところもありますが、ほとんどの場合はそうなる前に自身で悟り自主退職しているのが実情のようです。

役職昇格までの
在籍年数
年収目安 (万円)
アナリスト職0〜2600〜900
コンサルタント職5〜71,000〜1,500
マネジャー職5〜71,600〜2,500
ディレクター/プリンシパル職0〜52,000〜3,000
パートナー職3,000〜

総合系コンサル

有名どころでは、四大会計事務所系(BIG4)といわれる、デロイト・トーマツコンサルティング/pwc/EYアドバイザリー/KPMG、また、アクセンチュア、アビームコンサルティング等がこの類型にあたります。

戦略の策定から実行支援までと、扱う領域としてはビジネス上流から下流まで満遍なく扱っています

領域を定めず幅広く案件に携わりたい方にはこの類型がおすすめです。

年収は役職によって決まっており、戦略系同様に各役職で昇格までの年数も定義されていたりします。

その年数内に昇格できなくてもクビになる会社は少ないですが、戦略系同様、ほとんどの場合は自身で決断し自主退職します。

役職昇格までの
在籍年数
年収目安 (万円)
アナリスト職1〜3500〜600
コンサルタント/アソシエイト職2〜4600〜800
シニアコンサルタント/シニアアソシエイト職2〜4800〜1,000
マネジャー職3〜51,000〜1,400
シニアマネジャー職3〜61,500〜2,000
ディレクター/プリンシパル職0〜52,000〜3,000
パートナー職3,000〜

シンクタンク系コンサル

有名どころでは、三菱総研、野村総研等、〇〇総研とつく会社がこの類型にあたります。

元々は、金融・IT等会社の調査・研究・分析を担う1グループ会社のような位置づけでしたが、現在ではその領域にとどまらず、総合系の領域も担うようになり、幅広く支援を展開しています。

年収については、戦略系・総合系とは異なり厳密に定義されているわけではなく、転職の場合だと前職の年収を考慮して決まるようです。

目安としては、新卒で入社した場合に平均で30歳で1,000万円は超えてくるイメージだそうです。


その他、細かく分けると会計系、人事系、IT系等分類があります。

このような類型はあるものの、基本的にクライアントのお困りごとに沿った提案を行うため、扱う案件内容は本当に多岐に渡ります。

年収は会社によっても異なるため、あくまで目安としてもらえればと思います。

またコンサル業務未経験で他業界から転職であれば、多くの場合コンサルタント職からのスタートとなります。

求められる人材

頭だけで勝負する世界ですので、論理的に物事を考え、自分なりの解を導き出せること、また、わかりやすく納得のいくが説明できることが素養として期待されます。

また、論理的思考力が比較的備わっている高学歴の人材が好まれる傾向はあります。

よく就職難易度でコンサル業界は上位に位置づけられるのはそういった理由からだと思います。

ただ、だからといって自身を卑下する必要は全く無く、対策を取ることで十分に確率を上げることは可能です。挑戦する前にネガティブなことは考えず前を向いて臨みましょう。

就職活動に向けて

まず転職における心構えや準備に関しては、コンサル業界に限らずまず必要な対応があります。詳細記事を別途お示ししておりますので、こちらをご覧下さい。

コンサル業界への転職対策として、特に面接については他の業界にない特徴がありますので面接に特化してお伝えしたいと思います。

これはどの類型のコンサル会社でも共通します。

コンサル面接の特徴

意識すべき5つのポイント

コンサル面接では、主に以下の視点に重きを置いて素養があるのか、人物を見ています。

全ての質問に対してこの観点を見られていますので、想定問答を用意する上でこのポイントも意識して対策してください。

  1. 論理性 
    ⇨アピール内容に対しその理由・根拠が明確になっている必要があります。正解のない問いに対して提言する仕事であるため、論理性は何より求められます。
  2. 網羅性
    ⇨上記論理性の要素でもありますが、アピール内容に対する理由・根拠に漏れやダブリがなく、そう言い切れるための要素もきちんと揃って説明できる素養が求められます。ロジカルシンキングの世界ではよくMECE(ミーシー)といわれます。
  3. コメント力
    ⇨コンサルタントはクライアントから様々なコメントを求められるコメンテーターの側面もあります。そのため、持っている知識を柔軟に整理し、即座にコメントできる素養が求められます。自身の知る知識を最大限活かし、相手に対し価値を提供しようとする姿勢が面接で見られます。
  4. 自信を持った立ち振舞い
    ⇨当然内容が伴っている前提ではありますが、正解のない問いに対し不安に感じているクライアントへ提言する際には、自信のある立ち振舞を以て伝える必要があり、意外と大事なポイントです。

コンサル業界特有の質問

以下2つの質問はよく聞かれますが、コンサル業界特有かと思われます。

面接官が見ているポイントはいずれも同じで、なぜそう考えたのか、その思考のアプローチ・論理性をみて、この人はコンサルとして活躍できそうか評価しています。

ですので、見られているポイントさえ理解できていれば、ある程度は対策できます。

解を導き出せなくても、その過程でどう考えたのかきちんとアピールするようにしてください。

フェルミ推定質問

例えば、「日本にあるマンホールの数を教えて下さい。」といった実際は計測不能な問いかけパターンです。

⇨これは実際は計測不能だが、規模感を定量的に算出しないといけないケースがコンサルの仕事では存在し、そういった問いに対してこの人ならどうアプローチするのか見られています

ビジネスケース質問

例えば、「この資料を読んでA社は今抱えている経営課題とその解決策を提言してください。」といったシミュレーションを求められるタイプの質問です。

⇨これも最適解が何なのかは未来になってみないとわからない内容になるため、資料に書いてある事実内容をベースにどう論理立てて現状を分析し、課題をあぶり出して提案できるか見られています


この2点はコンサル特有であり、高確率でいずれかは質問されます。

あまりこういった内容に過去触れたことがない場合は事前に対策しておくことをおすすめします。

私も面接を受ける前に何冊か本を読んで対策しました。以下の本はわかりやすかったため、紹介させていただきます。

コンサル業界へのエントリールートについて

コンサル業界を目指す上でのルートとしては主に以下の3パターンがあります。

  1. エージェント
  2. 会社独自の公募
  3. コネ

コンサル会社の職員とのコネがあれば、人づてで面接まで通してもらえるケースもあります。

信用ある人からの紹介となるため、面接に進むまでのハードルは下がります。

ただ実際、コネがある人はコンサル経験者で同業他社から引っ張られるケースの人が大半です。

実際最も確実なルートはエージェント経由のルートで、エージェントは会社独自の採用募集内容には現れない非公開求人を多く持っています

コンサル業界へ転職した知り合いや同期、過去10名に聞いたところ、全員エージェント経由で入社していました。その中で多かった4つのエージェントを紹介します。

  1. リクルートエージェント
    ⇨大手転職エージェントということで、求人をかけるコンサル会社側がまずコンタクトするエージェント先としてよく候補に挙がるそう(内部情報)で、それ故にコンサル求人案件が豊富に集まるようです。
  2. アクシスコンサルティング
    ⇨様々な分野・領域の専門の経営コンサル出身者が多いようで、そのコネクションからコンサル求人案件も豊富に保有しているそうです。
  3. コンコードエグゼクティブ
    ⇨ここは特に戦略系を目指したい人は要チェックです。元同僚で戦略系へ進んだ数名は皆さんここを利用していました。戦略系コンサル出身のエージェントが在籍しているようで、コネクションからコンサル求人案件も集まりやすいとのことです。
  4. doda
    ⇨こちらもリクルートエージェントと同様の理由で、元同僚でこちら経由で入社した人が数名おり、コンサル求人案件は選べるほど豊富に保有しているとのことです。

よくオススメエージェントランキング等掲載されているサイトがありますが、観的にどのエージェントがいいか評価することはできないと思っています。

よく評価指標となっている案件保有数・内定実績数等はあまり意味を持ちません。募集案件の数ではなく、案件内容が大事だと思っています。

特にコンサル業界に関しては、「〇〇業界に対して、こういう課題を解決し、こういった支援・提言をしたい」、「世の中をこういう風に変えたい」等、ご自身がやりたいことを叶えられる案件を持つエージェントがその人にとっておすすめのエージェントということになります。

まずはいくつか複数へ登録の上、並行して複数のエージェントとコミュニケーションし、そこから最終的に1つに絞っていけばよいかと思います。

私の場合は最終的にリクルートエージェントを選定し、転職に成功しました。

一つ確実に言えることは、どのようなエージェントについてもらったとしても、結局は自分次第、自分一人の力で面接をクリアしていかなければならないということです。

上記4つのエージェントであれば間違いなくコンサル就職に向けた対策を練ってもらえますが、エージェントは攻略本を持っているわけではありません

また、どのエージェントにすれば内定率が上がるということもないと思っています。

色々とアドバイスはもらえると思いますが、結局は参考程度です。

仮に、エージェントから”こう聞かれたらこう答えよ”といった攻略法が示され、対策したとしても、実際面接においては、優秀なコンサルタントの前ではそんな仮面はすぐ剥がされるでしょう。

なぜコンサルになりたいのか、何を実現したいのか、なぜその会社なのか等きちんと自分自身と向き合って整理し、自分の言葉で答えられるように、主体的に対策を進めていくことが何より肝要です。

まとめ:非常にやりがいのある仕事

今回、コンサル業界について簡単ではありますが私の経験を元に仕事の内容、面接に向けての対応策や面接官のねらい等をお伝えしてきました。

実際求められる仕事のレベルは非常に高いのですが、自分が関わった案件によって世の中の仕組みを大きく変わるなんてこともざらで、成果が目に見えてわかる、非常にやりがいのある仕事だと思っています。

また、ゼロベースで物事を創造する仕事であるため、様々なビジネススキルが短期間で大幅に向上します。コンサルの仕事を通じて得られるスキルは事業会社に勤めていてはなかなか得られません

コンサルから次のステップを検討する際も多くの選択肢が生まれ、様々な業界からニーズがございます。私自身もコンサルから転職する際には多くの企業からオファーをいただきました。

コンサルから次のステップ(ポストコンサル)については、また別記事で紹介できたらと思います。

もしコンサル業界を目指すのであれば、今回紹介させていただいた内容を是非参考にいただければと思います。

では!

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